久留米地区 川散策 情熱の塊

2012年4月30日
昨日のトンボ記です。

たまに、トンボの写真を撮りたいとか採集したいからとかで、県内既知産地を案内もしくは教えて欲しいと問い合わせがあったりするのですが、私、そういう方の場合は今はほとんどお断りさせてもらってます。案内する時間がもったいないので。
こういうことは楽しちゃいけないと思うんですよ。そういう人は私が記録している文献を、どんな手段でもいいから自ら入手して、自分で産地を探し当てて欲しいと思います。そうでないと、色々な意味で進歩しないと思うんですよ。

さて、実は島根っ子氏が来福していました。
なんと、私の調査に同行させて欲しいと志願してきたのです。最近少ない勇気と熱意のある若者です。
産地を案内して欲しいではなく、一緒に調査をしたい!と願い出てくれたのです。しかも、彼は高校生の頃からこのブログを見てくれているとのこと。過去の記事のこともよく覚えていてくれたりして嬉しくなります。こういうことを聞くと、本当にやってて良かったと思います。
こういう情熱のある方は老若男女問わず大歓迎です。私は誰の挑戦でも受けるのです!

そういう訳で、この日はあいにくの天気だったのですが終日ヤゴ三昧だったのであります。
キイロヤマトンボの新産地を探してトモロッシさんも含め3人で久留米方面をウロウロしていました。

最初の場所。
e0002314_20282957.jpg

自分の探している福岡県の場合は堰の上流側にたまった砂で幼虫を確認したことがありません。砂底の場合でも網を入れてはいるのですが、全く確認することができないので、最近は堰にたまった砂で網はあまり入れていませんでした。関西方面では堰上流部でヤゴが確認されるようですので、島根っ子氏の本州での経験をもとに、この場所で網を入れてみることにしました。

調査する島根っ子氏。
e0002314_20335895.jpg

調査するトモロッシさん。
e0002314_20341580.jpg

『うぉー!』
網を入れてすぐに島根っ子氏の叫び声がこだましました!
オオヤマトンボでした。
e0002314_2036998.jpg

私も叫びました!
キイロヤマトンボ幼虫。
e0002314_20373192.jpg

トモロッシさんもかすかに叫びました。
スナヤツメ。
e0002314_20383637.jpg

コヤマトンボ幼虫。
e0002314_20393520.jpg

アオハダトンボ属sp.幼虫。
e0002314_20395692.jpg

コフキトンボ幼虫。
e0002314_20401077.jpg

モノサシトンボ幼虫。
e0002314_20402445.jpg

ミヤマサナエ幼虫。
e0002314_20403515.jpg

ここにはコヤマ、キイロヤマ、オオヤマの3種が生息していることになります。
e0002314_20414848.jpg

いきなりキイロヤマトンボの新ポイントを確認することができるという、幸先の良いスタートとなりました。

私の周囲にはヤゴの話で盛り上がれる話が出来る方が残念ながらいないので、島根っ子氏とのヤゴトークは大変貴重な時間でした。昆虫の同定はまずは直感でする!という同じ考えを持っていたので嬉しかったですね。ネットなどを見ると、彼が住んでいる関西近郊にはヤゴに熱心な若手が増えているようで、ヤゴまでやる人がほとんどいない九州に住んでいる者としては、とても羨ましいのです。
トンボ仲間であるトモロッシさんもヤゴ好きなのですが、ヤゴに関してはそこまで詳しくないのでヤゴの勉強会にもなったと思います。潔くヤゴがわからないと公言するトモロッシさんのそういうところが好きであります。生物屋には俺は何でも知ってるゼ!という、あの業界に多い見かけだましの人をこれまで多々見てきましたが(そういう人は少し会話しただけですぐにわかる)、自分はトモロッシさんみたいなハッタリをかまさない方が好きですね。

別の川に移動しました。ナゴヤサナエの幼虫狙いです。
e0002314_210597.jpg

本州の方では浅い場所でも採れるようですので、経験のある島根っ子氏に砂泥状態のチェックと採り方を見せてもらいたかったのです。自分は何回もチャレンジしているのですが、どうしても採ることができていません。この川の羽化ポイントの柳が全部伐採されていたのはショックでした。今後、別の羽化ポイント探しも課題になりました。
ちなみに、福岡県のナゴヤサナエの幼虫は記録上は1960年に遠賀川水系でごく少数が採集されているのみと思われます。

調査するトモロッシさん。
e0002314_2142792.jpg

調査する島根っ子氏。
e0002314_2145179.jpg

場所的には島根っ子氏いわく生息地ドンピシャとのことです。こういう意見を聞くと、自分がこれまで狙ってきた場所が間違ってなかったんだ、と思うので、やはり他県の方と調査するのはいいもんだなぁと思います。

この場所一帯を3人で何時間掬っていたでしょうか。網を入れられる場所は全部入れたと思います。
ナゴヤサナエは残念ながら確認出来ませんでした。この川のナゴヤサナエはやはり川底深くに潜んでいるものと思われます。

タイワンウチワヤンマ幼虫。
e0002314_21153355.jpg

シオカラトンボ幼虫。
e0002314_21155167.jpg

コフキトンボ幼虫。
e0002314_21161498.jpg

オオヤマトンボ幼虫。
e0002314_21163172.jpg

アオモンイトトンボ幼虫。
e0002314_21164484.jpg

アオハダトンボ属sp.幼虫。
e0002314_2117433.jpg

せっかくだからこの日くらいはきちんと昼ご飯を食べましょう!(普段は時間がもったいないので食べない)と、ご当地の久留米ラーメンを食すことに。
ここで事件が発生しました!
ラーメン屋のお嬢さん(4歳)に鼻をほじるとこを見られたトモロッシさんが、『鼻くそのオジサン』と呼ばれだしたのです。鼻くそラーメンを食べる鼻くそオジサン。お嬢さんが私に競馬の馬券を持ってきたので、『8794』と書いてあげました。
まぁ、こんなエピソードはほんの鼻くそいたいな小さなもので、実際はもっと面白いことばかりでした。堅苦しいよりは、こういうふうに楽しく会話したり、車の中で変な動きをしたりしながら調査するのが好きなのです。私はあまり人見知りしませんし、島根っ子氏もヤゴに対しての熱い情熱を持っていましたので、すぐに仲良くなることができたと思ってます。

結局、この日は他にも何ヶ所かまわり、日没まで川に入っていました。島根っ子氏のおかげで、アオサナエの新産地も確認できました。最後の場所はスナヤツメもいたので、もしかしたら可能性があるかもしれません。

彼にとっては私との調査が勉強になったかはわかりませんが、少しは良い経験になったのでは?と思っています。何かを感じ取ってもらえたら・・と思います。
そして、ブログでは表現しにくい、九州北部のトンボの本当の実態が少しわかってもらったかもしれません。
彼には若さという武器がありますので、今のうちにどんどん全国の研究者と交流をして欲しいですね。これからもまた会う機会が増えるでしょう。こういう情熱の塊みたいな若手と触れ合うと、背筋が引き締まる思いになります。
ヤ部関西支部のキャプテンに任命しておきますので、是非ヤ部活動を頑張ってください!
本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

他についての詳細は福岡自然研究部のブログもご覧ください。多分○秘写真が出ると思います。
そして、全貌を知りたい方は島根っ子の自然観察ブログもご覧ください。究極の○秘写真とムービーが出るかもしれません。

オシマイです。
[PR]

by bobtuck | 2012-05-01 22:14 | 久留米地区 | Comments(8)  

Commented by ねぎトロ at 2012-05-01 23:30 x
本当に熱い情熱が画像からもほとばしっていますね!

特に橋脚部の画像は恐怖すら感じます。^^;

でも、bobtuckさん新たなる発見おめでとうございます。 
Commented by つばさ2号 at 2012-05-02 00:07 x
こんばんは ご無沙汰です。
いつもながら地元にいい場所(に見えます^^)の多いことが
うらやましいです。こちら都会に近い地域では不審者や
侵入者として注意されたり通報されかねません。
苦労の割にトンボの密度も低いし。

さて こちらでは知人のブログカメラマンの方々が、仲間
の情報と資金力で遠方に行きムカシトンボ羽化や蝶で成果
を上げているようで、1からスタートの私は多少焦りもしますが
上のbobtuckさんの「こういうことは楽しちゃいけない・・・」の
言葉を実践してきた私は改めてこのくだりで救われる思いです。

遠回りした分、撮れた写真1枚の重みに変えようとチャレンジ
を続けたいと思います。私も幼少の頃虫キチとか虫博士とか
言われましたが、いまだに生態に関しては日々発見の連続で
文献や人の情報に無いことを自身の目で見ることの大切さを
学んでます。 ではさらなる健闘を祈ります。
Commented by 島根っ子 at 2012-05-02 18:05 x
いろいろ経験と勉強させてもらいました。
ありがとうございます。

ほとんどヤゴの採れない水域から「最低でもオオヤマ…」と言って見事採られていたのは驚きました。(同時に、腕の違いを見せ付けられました。)

今回の経験を生かし、島根県でもいろいろ新産地を見つけていこうと思います。そして、また、キイロヤマ、ナゴヤのリベンジしに行きます!!

Commented by kopenta1205 at 2012-05-03 20:59
すさまじいですね!!


魚採るより難しそうです!!


ヤゴがのってる図鑑買って調べてますがほとんど分からないので飼育して成虫待ちですw
Commented by bobtuck at 2012-05-03 21:37
ねぎトロさん
橋脚の場所は一応、安全と思われる場所で網を入れています。
自分は慎重派なので、危険なことだけはしてませんね。
生態を知るには川床に直に触れるのが一番です。
Commented by bobtuck at 2012-05-03 21:46
つばさ2号さん、お久しぶりになりますかね。
こっちも見た目良い場所が多い割には密度は低いもんですよ。
同じように思っていただいて嬉しいです。色々思うことは多々あるんですが、ブログ上ではこれが自分の精一杯の言いたいことです。
Commented by bobtuck at 2012-05-03 21:54
島根っ子さん、どうもありがとうございました。無事に帰宅されたようでなによりです。
楽しかったですね。特に車中が(笑)。
自分は毎回こういった調べ方をしています。そちらにも楽しく調査できる仲間が増えるといいですね。
今回は少し衰えを感じました(笑)。かなり体力を使いましたんで。
鍛えなおしておきますので、また是非いらしてください。
自分もそのうち道場破りの旅に出たいです。
Commented by bobtuck at 2012-05-03 21:58
こぺんたさん
多分、投網をしたら深場にいるヤゴが入るのでは?と思ってるんですよ。大人の事情でできないでいますけど。
図鑑は九州だと南方新社の図鑑を使うのが一番いいですよ!
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

<< 久留米地区 川・池散策 気まぐ... 久留米地区 川散策 心地よい >>